上の子がイライラして口をきかなくなったと思ったら、下の子まで「うるさい」「ほっといて」と反発しはじめた……。きょうだいで反抗期の時期が重なると、家の中がずっとピリピリして、親御さんの気持ちも休まる時間がありませんよね。「一人でも大変なのに、二人同時なんてもう無理」と感じてしまう日もあると思います。そのお気持ち、とてもよくわかります。
でも、大丈夫です。きょうだいの反抗期が重なるのは決して珍しいことではなく、いくつかのコツを知っておくだけで、親御さんの負担はぐっと軽くなります。この記事では、なぜ重なると大変に感じるのかという背景から、一人ひとりへの接し方、つい言ってしまいがちなNG対応の言い換え、そして何より大切な親自身の気持ちのケアまで、やさしくお伝えしていきます。
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きょうだいで反抗期が重なるとなぜ大変?子どもの心理
まず知っておきたいのは、きょうだいで反抗期が重なるのは「たまたま運が悪い」わけではない、ということです。思春期の反抗期は、一般的に小学校高学年から高校生ごろにかけて訪れるとされています。年齢が近いきょうだいであれば、この時期が自然と重なることは十分にあり得ます。年の差が数年あっても、上の子が思春期後半、下の子が思春期前半というかたちで、時期が交差することも珍しくありません。
反抗期は、子どもが親から少しずつ心理的に自立していくための、大切な成長のプロセスだと考えられています。脳や体が大きく変化し、自分の世界や価値観を作ろうとする中で、これまで素直に聞いていた親の言葉に反発したり、距離を取ろうとしたりします。これは「親が嫌いになった」わけではなく、「自分」を確立するために必要な揺れだとされています。

そして、きょうだいが重なると大変に感じる理由のひとつは、反抗の”出方”が一人ひとり違うことにあります。上の子は無言でこもるタイプ、下の子は言葉で反発するタイプ、というように現れ方がバラバラだと、親御さんは常に別々のスイッチに気を配ることになり、心の休まる暇がありません。さらに、きょうだい同士がぶつかり合ったり、お互いのイライラが伝染したりすることで、家全体の空気がとげとげしくなりやすいのも、負担が増える大きな要因です。
よくある場面ときょうだい特有のNG対応
きょうだいの反抗期が重なると、親御さんはどうしても「二人まとめて」対応しようとしてしまいがちです。忙しさの中では自然なことですが、これがかえって反発を強めてしまうことがあります。
よくあるのが、きょうだいを比べてしまう場面です。「お兄ちゃんはできたのに」「妹はちゃんとやってるよ」といった言葉は、たとえ励ますつもりでも、子どもにとっては「自分は下に見られている」と感じるきっかけになりやすいとされています。反抗期の子どもは自尊心がゆらぎやすく、比較の言葉に特に敏感になっている時期です。
また、まとめて叱るのも避けたい対応のひとつです。きょうだいゲンカが起きたとき、「二人ともいい加減にしなさい!」と一括りにすると、「自分は悪くないのに」という不公平感が残り、親への不信につながることがあります。それぞれの言い分を最後まで聞かないまま結論を出すと、子どもは「どうせわかってもらえない」と心を閉じてしまいかねません。
そのほか、上の子に「お兄ちゃん(お姉ちゃん)なんだから我慢して」と役割を押しつけたり、下の子ばかりに手をかけて上の子を後回しにしたりする対応も、反抗期の時期には不満がたまりやすくなります。どれも親御さんが悪いわけではなく、同時進行の余裕のなさから起きやすいものです。まずは「そうなりやすいんだ」と知っておくだけで、対応を少し変えるきっかけになります。
基本の接し方|一人ひとりを”別の人”として見る
きょうだいの反抗期を乗り越えるうえで、いちばんの土台になるのが「一人ひとりを、まったく別の人として見る」という姿勢です。同じ親から生まれても、性格も、反抗の出方も、必要としている関わり方も、きょうだいでまったく違います。「同じように育てているのに」と感じるのは自然ですが、子どもの側からすると、それぞれに合った関わりを求めているのです。

おすすめしたいのが、短くてもいいので一人ひとりと”1対1″の時間を持つことです。買い物に一緒に行く、送り迎えの車の中で話す、寝る前に少しだけ部屋をのぞく——そんな数分でかまいません。きょうだいがそろっている場だと、子どもはどうしても身構えたり、下の子の前ではカッコをつけたりしますが、二人きりになると、ふっと本音がこぼれることがあります。
男の子と女の子では、また関わり方のコツも少し変わってきます。それぞれの傾向については、反抗期の男の子への接し方と声かけのコツや、反抗期の女の子への接し方と距離感のとり方もあわせて読んでみてください。年齢によっても関わり方は変わるので、中学生の反抗期あるあると乗り越え方や高校生の反抗期の特徴と親の関わり方も参考になります。
そして、反抗期の子どもへの接し方の基本は、きょうだいであっても一人っ子であっても変わりません。詳しくは反抗期の子どもへの接し方7つにまとめていますので、土台として押さえておくと安心です。
今日から使える声かけ・言い換えフレーズ
頭ではわかっていても、忙しい毎日の中では、つい反射的にきつい言葉が出てしまうものです。ここでは、きょうだいの反抗期でありがちな場面を、「かけたい言葉」に言い換える例をいくつかご紹介します。あくまで一例ですが、迷ったときの引き出しとして使ってみてください。
| つい言ってしまう言葉 | 親の本音 | かけたい言葉 |
|---|---|---|
| お兄ちゃんはできたのに、なんであなたは | あなたにもできると信じたい | あなたはあなたのペースで大丈夫だよ |
| 二人ともいい加減にしなさい! | ケンカで疲れてしまった | まず一人ずつ話を聞かせて。何があったの? |
| お姉ちゃんなんだから我慢して | 下の子を守ってほしい | いつも譲ってくれてありがとう。あなたも我慢してない? |
| また下の子を泣かせて | 仲良くしてほしい | 何かイヤなことがあったのかな。あなたの言い分も聞かせて |
ポイントは、まず気持ちを受け止めてから、伝えたいことを言うという順番です。「わかってもらえた」という安心感があると、子どもは親の言葉を受け取りやすくなるとされています。反対に、頭ごなしの否定は反発を強めてしまいがちです。うまく言えなかった日があっても、自分を責めなくて大丈夫。少しずつで十分です。認める言葉のかけ方については、反抗期の子どもを認める・褒める言葉かけもヒントになります。
比べない・平等より”公平”を意識するコツ
きょうだいを育てていると、「平等にしなきゃ」という気持ちが強くなりがちです。けれども、反抗期のきょうだい対応で意識したいのは、「平等」よりも「公平」です。平等が「全員に同じものを同じだけ」だとすれば、公平は「その子に今必要なものを、その子に合わせて」という考え方です。
たとえば、下の子がつらい時期には下の子に多く手をかける日があってもいいし、上の子が進路で悩んでいるときには上の子に時間を割いてもいい。大切なのは、「あなたのことも同じように大事に思っている」という気持ちが、それぞれにきちんと伝わっていることです。子どもが「えこひいきされた」と感じたときは、こっそりでいいので「さっきは○○を優先しちゃったね、あなたのことも大好きだよ」と一言添えるだけで、ずいぶん違ってきます。
また、きょうだいを目の前で比べる言葉は、できるだけ避けたいものです。比較は一時的にやる気を引き出すように見えても、長い目で見ると自己肯定感を下げたり、きょうだい仲を悪くしたりする一因になりやすいとされています。比べるとしたら「他のきょうだい」ではなく、「その子自身の少し前」と比べて、「前より○○できるようになったね」と成長を認めてあげてください。
きょうだい二人から同時に「うざい」「別に」を浴びると、親の心はあっという間にすり減ってしまいます。それぞれの言葉の裏にある本音を知っておくと、受け止め方が少し軽くなります。言葉の”翻訳”のヒントは「うざい」「別に」の裏にある本音とは?反抗期の言葉の意味もあわせてご覧ください。
親自身の気持ちのケアを後回しにしない
ここまで接し方のコツをお伝えしてきましたが、いちばんお伝えしたいのは、親御さん自身のケアを後回しにしないでほしいということです。きょうだいの反抗期が重なる時期は、親御さんが二人分・三人分の感情を受け止め続けることになり、心も体もすり減りやすくなります。「私さえ我慢すれば」とがんばりすぎると、いつか限界がきてしまいます。

まずは、子どものイライラと自分の心を、少し切り離して考えることを意識してみてください。子どもの反抗は成長の一過程であって、親を否定しているわけではない——そう思えるだけで、受け止め方が少し軽くなります。それでもイライラしてしまうのは当たり前のこと。怒りとの付き合い方については思春期の子どもにイライラしてしまう親へが参考になります。
そして、一日のうちほんの少しでいいので、自分だけの時間を持ってください。温かい飲み物をゆっくり飲む、好きな音楽を聴く、散歩に出る——小さなことで十分です。疲れがたまっているなと感じたら、反抗期の子育てに疲れた親へのセルフケア5つものぞいてみてください。親御さんの心が少し軽くなることは、めぐりめぐって、家庭全体の空気をやわらげることにつながります。
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きょうだいで門限やルールが違うことで不満が出るときは、反抗期の門限・ルールの決め方と守らせ方も参考になります。年齢に応じたルールの考え方をまとめています。
専門機関に相談する目安
反抗期の多くは、時間の経過とともに少しずつ落ち着いていくとされています。とはいえ、次のようなサインが続く場合には、ひとりで抱え込まず、早めに専門家に相談することをおすすめします。
- お子さんの暴力や暴言、物を壊すといった行動が激しく、家庭で対応しきれないと感じるとき
- 自傷行為や「消えたい」といった言葉が見られるとき
- 不登校や引きこもりが長く続き、生活に大きな支障が出ているとき
- 食事や睡眠が極端に乱れる、表情が乏しくなるなど、心身の不調が続くとき
- きょうだい間のトラブルが深刻で、どちらかが強く傷ついているとき
相談先としては、学校のスクールカウンセラーや担任の先生、各自治体の子育て・教育相談窓口、児童相談所、思春期外来のある医療機関などがあります。「相談するほどではないかも」と迷う段階でも大丈夫です。専門家に話すことで、親御さん自身の気持ちが整理されることも多くあります。相談は「弱さ」ではなく、家族を守るための大切な選択です。
よくある質問(FAQ)
Q. きょうだいの反抗期が同時に来ると、どちらを優先すればいいですか?
A. 「今、より心が揺れている方」を優先してかまいません。ただし、後回しにした子にも「あとでゆっくり話そうね」と一言伝えておくと、不公平感が残りにくくなります。日によって優先が変わってよいので、トータルで「どちらも大事にしている」姿勢が伝わることが大切です。
Q. きょうだいゲンカが増えました。親は止めるべきですか?
A. 危険がない範囲であれば、すぐに割って入らず、少し見守るのもひとつの方法だとされています。ケンカを通じて距離感を学ぶ面もあるためです。ただし、暴力や一方的ないじめのようになっている場合は、安全のために止め、それぞれの言い分を別々に聞いてあげてください。
Q. 上の子が下の子に冷たく当たります。どうすれば?
A. 頭ごなしに叱るより、上の子と二人きりのときに「何かモヤモヤしてることある?」と気持ちを聞いてみてください。上の子なりのストレスや、かまってほしい気持ちが隠れていることもあります。上の子の心が満たされると、下の子への態度がやわらぐことも少なくありません。
Q. 反抗期はいつまで続きますか?
A. 個人差が大きいですが、一般的には高校生ごろまでに少しずつ落ち着いていくことが多いとされています。焦らず、お子さんのペースを見守ってあげてください。
まとめ|二人同時でも、大丈夫
きょうだいで反抗期が重なる時期は、親御さんにとって本当に大変な毎日だと思います。でも、それは決して「育て方が悪いから」ではありません。年齢の近いきょうだいなら自然に起こり得ることで、多くの家庭が同じ道を通っています。
大切なのは、一人ひとりを別の人として見て、短くても1対1の時間を持つこと。きょうだいを比べず、「平等」より「公平」を意識すること。そして何より、親御さん自身の心を後回しにしないことです。うまくいかない日があっても大丈夫。完璧でなくていいのです。きつい言葉の奥にある本音にそっと目を向けながら、少しずつ、あなたのペースで関わっていけば十分です。二人同時でも、きっと乗り越えていけます。
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なお、きょうだいがいないご家庭ならではの反抗期の悩みについては、一人っ子の反抗期の特徴と親の接し方|甘えと自立のはざまでで詳しくお伝えしています。
この記事は子育てに関する一般的な情報をお伝えするもので、特定の対応の効果や結果を保証するものではありません。お子さんの状態や感じ方には個人差があります。お子さんの心身の不調が続く場合や、暴力・自傷・不登校など対応に強い不安がある場合は、ひとりで抱え込まず、スクールカウンセラーや医療機関・各自治体の相談窓口などの専門家にご相談ください。
この記事を書いた人
おかえりアプリ管理人
はじめまして、おかえりアプリ管理人です。二人の子どもを育てる母親で、上の子が中学生になったころ、ある日を境に返ってくる言葉が「うざい」「ほっといて」だけになり、毎晩のようにぶつかっては「私の育て方が悪かったの?」と自分を責める日々を過ごしました。よかれと思ってかけた言葉ほど裏目に出て、眠れない夜もありました。それでも、きつい言葉の奥にある本音に目を向け、少し距離を取って見守るようにしてから、少しずつ親子の会話が戻ってきました。あのころの私と同じように悩む親御さんに「あなたはひとりじゃない」と伝えたくて、このブログとアプリ「おかえり」を運営しています。


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